「路上で見かけたい歌うたい」ナンバーワン

http://d.hatena.ne.jp/matsuiism/20101107/p1
id:matsuiismさんがこの記事で紹介している森恵というシンガー/ソングライター。私も今まで知らなかったのだけれど、記事に貼られている映像を視聴したところ、かなりいいので、やや興奮気味のコメントをしてしまった。

この人、すごいですね。好きになってしまいました。
たしかにエキセントリックな感じはまったくないのですが、声の表現力が素晴らしく、道ゆく人を立ち止まらせられるに十分なものだと思いました。
それだけでなく、歌う姿が歌うことの喜びに満ち満ちているという感じで、ああ見れてよかったなあ、とこちらも幸せな気持ちになってしまいます。路上で出会えたらその日一日は幸福感に包まれて過ごせそうです。

このエントリのタイトルは、私のこのコメントに対してmatsuiismさんの下さったレスの中の言葉から拝借した(無断で。すみません)。
 
matsuiismさんも書いているように、彼女はよく路上で演奏しているようで、youtubeで多くの画像がアップされている。
 
森恵 - 歌うたいのバラッド

巷の喧騒の中で歌う姿がさまになっている。ところでこの映像、ドキュメンタリー的な面白さがある。
 
歌唱力にとどまらない表現力も。
森恵 - 届くように

最初にギターを叩いて出したリズムを録音し、そのまま繰り返し再生させリズムパターンとし、それに合わせて演奏する。さらに、自分の歌ったコーラス部分も録音し、曲の最後の部分でそれを使って多重コーラスを演出している。驚いたことに、彼女はギターを弾いて歌いながら、これらの操作をすべて一人でやってるらしいのだ。ほとんど曲芸に近い超絶的な技術だと思うが、単なる曲芸に終わらず、ちゃんと音楽としての感動があるのがすごいところだ。
 
森恵 - 異邦人

 
森恵 - 翼をください
 
カヴァーも多く演奏しているらしい。私は最近の日本の曲はほとんど知らないので、チョイスが昭和歌謡に偏ってしまったが*1、これらのやや陳腐なほどよく知られた曲が、彼女に歌われるととても新鮮に響く。この人にはブラジル音楽で言うところの「インテルプリチ」*2の才能があると思う。
 
この人、1985年生まれでまだ25歳らしく、将来が楽しみ。もうすでに大物の片鱗はある。
個人的には、同年生まれのマイラ・アンドラージ*3と並べてみたくなる。

*1:最初の「歌うたいのバラッド」は斉藤和義の曲らしいが、知らなかった

*2:表現者」。自分で書いた曲ではなく、他人の書いた曲を独自の表現として歌うことに長けた歌手を指してこう呼ぶらしい。

*3:http://d.hatena.ne.jp/quagma/20100829/p2 http://d.hatena.ne.jp/quagma/20101004/p1 http://d.hatena.ne.jp/quagma/20101008/1288214310 参照