2011-01-01から1年間の記事一覧

漱石の「満韓ところどころ」

http://d.hatena.ne.jp/matsuiism/20110216/p1 matsuiismさんが、このエントリーで高澤秀次『文学者たちの大逆事件と韓国併合』を引用しつつ漱石の「満韓ところどころ」にも触れている。私も前回のエントリーの注でこの紀行文に言及したのだけれど、高澤氏に…

差別と法について、思ったこと

先日のエントリー(日の丸と燃える十字架 - 小熊座)に、id:takammさんからコメントをいただいた。これに対する二度目のレスを書いているうちに非常に長くなってしまったので、ひとつのエントリーとしてアップすることにした。以下がその内容である。 −−−−−−…

前回の記事について

日の丸と燃える十字架 - 小熊座 「いわゆるふつうの人たちが無邪気に日の丸にコミットするカルトな日本社会…」というようなことを書こうとして と、「無邪気に国家に同一化すること」に対し批判的なことを書いておいて、その直後で それが戦後の日本経済の大…

日の丸と燃える十字架

昨日アップしたエントリーのブコメで、国旗に言及する方がいた。 私も日本で十字架焼却に類比すべきものを挙げるとしたら日章旗(日の丸)しかない、と考えており、下書きの段階では「ナチの鍵鉤*1十字」に言及した後でその点にも触れようと考えていた。 と…

十字架焼却の歴史

合衆国におけるヘイトスピーチ規制の文脈において重要な連邦最高裁判決であるVirginia v. Black 538 U.S. 343 (2003)を読んでいるのだが、そこで素描されている「十字架焼却(cross burning)」なる行為の歴史が非常に興味深い。 Virginia v. Black判決(以…

こうまで見せつけられると

Togetter - 「チュニジア政権崩壊報道をめぐる烏賀陽弘道氏(@hirougaya)と常岡浩介氏(@shamilsh)との応酬」 Togetter - 「烏賀陽弘道さん(@hirougaya)の語る「匿名の卑怯者」」 発言における事実認識の間違いを指摘されて 間違ってます?じゃあ、ネッ…

ヘイトスピーチ規制がマイノリティの抗議的表現の摘発を招くのは必然か(tari-Gさんへのお返事、part2)

以前こちらにアップした「はてなhaiku」でのtari-G氏とのやり取りは、以降以下のように展開した。http://h.hatena.ne.jp/tari-G/9258658834641833355 http://h.hatena.ne.jp/quagma/9234082553158545707 http://h.hatena.ne.jp/tari-G/9234100145665692301 h…

聖テレサ、ジョージ・エリオット、佐々木中

つい最近思い立って、本棚に挿しっぱなしだったジョージ・エリオットの『ミドルマーチ』(講談社文芸文庫)を手に取った。文庫本で四分冊ぶんの長大な小説であり、買ったのはもう十年以上前になると思うが、最初の50ページほど読んで投げ出したまま、ずっ…

それにしても

Apeman(apesnotmonkeys)氏が「キリッ」の意味が分からない、という人に対して「『表現の自由キリッ』でサイト内検索して関連エントリ読んでから出直して。」と言っておられるので、私もやってみたんだけど、私が「ヘイトスピーチと表現の自由」というテー…

正月早々演じられたウェブ上の小規模な諍い、および「表現の自由キリッ」の意味するところについて

正月早々演じられたウェブ上の小規模な諍い 正月早々、ワールドワイドウェブの片隅で、小規模な諍いを演じてしまった。 今年最初のエントリーがこんなのか!と悲しくもなるが、これまで私がこのブログで書いてきたことと全く無関係ではないし、今回はこの諍…