差別と法について、思ったこと

先日のエントリー(日の丸と燃える十字架 - 小熊座)に、id:takammさんからコメントをいただいた。これに対する二度目のレスを書いているうちに非常に長くなってしまったので、ひとつのエントリーとしてアップすることにした。以下がその内容である。 −−−−−−…

ヘイトスピーチ規制がマイノリティの抗議的表現の摘発を招くのは必然か(tari-Gさんへのお返事、part2)

以前こちらにアップした「はてなhaiku」でのtari-G氏とのやり取りは、以降以下のように展開した。http://h.hatena.ne.jp/tari-G/9258658834641833355 http://h.hatena.ne.jp/quagma/9234082553158545707 http://h.hatena.ne.jp/tari-G/9234100145665692301 h…

正月早々演じられたウェブ上の小規模な諍い、および「表現の自由キリッ」の意味するところについて

正月早々演じられたウェブ上の小規模な諍い 正月早々、ワールドワイドウェブの片隅で、小規模な諍いを演じてしまった。 今年最初のエントリーがこんなのか!と悲しくもなるが、これまで私がこのブログで書いてきたことと全く無関係ではないし、今回はこの諍…

tari-Gさんへのお返事

前回のエントリーに対し、tari-G氏から以下のブコメが付けられた 一読してちょっと(というかかなり)困ったなと思うのは『ヘイトも言論の自由に含む特殊なアメリカ』という理解。人権の論理からも歴史からもこれは真逆なんだが端的に説明する文献が見あたらな…

「相手を不快にする権利」、一応の結論

1.経緯 まず、手短にこれまでの経緯を説明する。知っている方は飛ばしてくださってかまわない。 (1)ジャーナリストの烏賀陽(うがや)弘道氏が、 言論の自由には、相手を不快にする権利も含まれる。(1964年のアメリカ連邦最高裁裁判所判決) http:…

ゼンショーによる労働委員会の救済命令無視と、それに対する罰則

労働組合の団体交渉権を侵害し、労働者としての尊厳を傷つけられたなどとして、大手牛丼チェーン「すき家」で働く仙台市のアルバイト女性(43)と、女性を支援する労働組合「首都圏青年ユニオン」は13日、すき家を展開するゼンショー(東京)に計約36…

サリバン事件連邦最高裁判決の翻訳

id:tari-G氏にご教示いただいた*1、愛知大学法学部法経論集第183号に掲載されているサリバン事件の連邦最高裁判決の全文の日本語訳が、pdfファイルとして愛知大学のウェブサイトに全文アップされていることがわかった。 なぜわかったのかといえば、愛知大…

プライバシーと言論の自由

「相手を不快にする権利」の件は最初にエントリーを上げてから10日(そもそものウガヤ氏のツイートからは2週間以上)経ってしまったにもかかわらずぜんぜん進んでいないわけだが、そうしているうちに以下のような事件が報道された。報道による人権侵害が…

日本とアメリカ合衆国の判決文の違い

アメリカの連邦最高裁判決*1をぼちぼち読んでいるんだけど、連邦最高裁の判決文は、私ていどの語学力*2の人間でも、辞書さえあれば何とか読んで大まかな意味は取れる。 日本の裁判所の書く判決文を、私ていどの語学力*3の外国人が読んでも、絶対にこうは行か…

「相手を不快にする権利」について調べ、途中経過

こちらのつづき。 烏賀陽(うがや)弘道氏の「言論の自由には、相手を不快にする権利も含まれる。(1964年のアメリカ連邦最高裁裁判所判決) 」というツイートは本当に正確なところを述べているのか?という疑問についての調べの途中経過報告である。 と…

「相手を不快にする権利」は保護されるべきか、および烏賀陽弘道氏に罵倒されたこと

言論の自由*1には、相手を不快にする権利も含まれる。(1964年のアメリカ連邦最高裁裁判所判決) 11:07 PM Nov 11th webから 烏賀陽 弘道 on Twitter: "言論の自由には、相手を不快にする権利も含まれる。(1964年のアメリカ連邦最高裁裁判所判決)"…

靖国合祀取消訴訟の那覇地裁10月26日判決について

あまりに形式的な 10月26日、いわゆる靖国合祀取消訴訟につき、那覇地裁が原告の請求*1を全て棄却する判決を出した。 報道によれば、主に以下のような理由で原告の請求は棄却されたようだ。 判決で平田直人裁判長は、山口県護国神社への合祀をめぐり遺族…

mojimoji氏のブログ記事に付けたブコメの補足的説明

私はid:mojimojiさんのブログの10月24日の記事につけたブックマークコメントで、「引用のコメント色々大嘘です」と書きました。 100字の字数制限の関係もあり、やや説明不足な書き方となってしまいましたので、ここでもう少し説明しようと思います。 …

千葉法相の死刑執行にはほんとうにがっくり来た。

ブコメでは人が殺されてるのに不謹慎だと思って書けなかったけど、こんなに無残な政治的敗北って、見たことがない気がする。 結局この方は、就任時に言ってたことを何一つ実現できずに終わるということになってしまうのではないか… 本当に残念。 ちなみに、…

id:arrack に答える―A君の行為は無罪と評価できるか

id:arrack さんが、こちら( http://b.hatena.ne.jp/entry/unionbotiboti.blog26.fc2.com/blog-entry-101.html )で、 「無罪とわめいてる人は書類の書き換えをせまった行為のどこが無罪かをわかるように教えてください 」 とおっしゃっておられるので、回答…

驕りが鼻につく

http://www.nakashimalaw.com/essay/miyamoto/0910.html 一読、エリート専門職の驕りが鼻についてしかたがなかったんだけど、 気を静めてもう一度読んだら、まあもっともと思えるところもないではない。 ただ、自分たちのルールが通用しない素人に苛立つ気持…