漱石の「満韓ところどころ」

http://d.hatena.ne.jp/matsuiism/20110216/p1 matsuiismさんが、このエントリーで高澤秀次『文学者たちの大逆事件と韓国併合』を引用しつつ漱石の「満韓ところどころ」にも触れている。私も前回のエントリーの注でこの紀行文に言及したのだけれど、高澤氏に…

聖テレサ、ジョージ・エリオット、佐々木中

つい最近思い立って、本棚に挿しっぱなしだったジョージ・エリオットの『ミドルマーチ』(講談社文芸文庫)を手に取った。文庫本で四分冊ぶんの長大な小説であり、買ったのはもう十年以上前になると思うが、最初の50ページほど読んで投げ出したまま、ずっ…

「相手を不快にする権利」について調べ、途中経過

こちらのつづき。 烏賀陽(うがや)弘道氏の「言論の自由には、相手を不快にする権利も含まれる。(1964年のアメリカ連邦最高裁裁判所判決) 」というツイートは本当に正確なところを述べているのか?という疑問についての調べの途中経過報告である。 と…

「10代までに読んでおくべき本」

502 Bad Gateway http://blog.livedoor.jp/news23vip/archives/3006764.html 10代でそんなに読むことはないよ - finalventの日記 この手のって、文学なり経済学なりといった一定の専門領域内で「最低限これは読んでおけ」っていう話なら、まあ理解できるんだ…

米澤穂信『ふたりの距離の概算』

地味ながら絶妙な作品。作品の骨格をなすアイディア(ミステリの謎解きの部分とはまた別の)、「よく思いつくな」と感じたのだけれど、もしかしたらなにか元ねたとかあるのだろうか、教養がないので分からない。主人公(探偵役)がヒロインと出会うシーンがとて…

ダイヤモンド社『【新版】簿記の基本が2時間でわかる本』金井猛

200ページ超の本のうち50ページほどを、「2時間で」読んだ。 そして、どうやらかなりめんどくさくてよく分からないもののようだ、という「簿記の基本」が「わか」った。 というわけで、このタイトルは必ずしも誇大とは言い切れないと認めるのにやぶさかでは…

阿部和重『ピストルズ』

一ヶ月待って図書館で借りた阿部和重『ピストルズ』読了。 これすごい。 自分の書いた前の作品(『シンセミア』)をトンデモ解釈でめちゃくちゃにしちゃったみたいな小説。 爆笑した。